2012年12月27日

しげ脳vol.197「 もうすぐ200回記念スペシャル第2段〜ザ・座談会 こんにちは学生さん篇 中篇〜」

「攻めの観光」の姿勢を語っていただいた学生さんとの座談会前半。
さらに話は生き方や「与える幸せ」など深い話に。
学生さん座談会、まだまだ続きます!


しげ脳vol.197「 もうすぐ200回記念スペシャル第2段
〜ザ・座談会 こんにちは学生さん篇 中盤〜」


sige197-1.JPG



安里会長)
みなさんはどれだけ沖縄出身ということに
コンプレックスを感じてるかわかんないんですけど
僕らはめちゃくちゃコンプレックスを持ってる世代なんですよ。
さらに僕らの一個上の世代はもっとある。
さっきの水牛の話じゃないけどね
沖縄では裸足で歩いてるんじゃないのって言われてたんだから。
東京に進学するのも当時は留学だからさ。
沖縄から来たっていうだけで下に見られたり
アパート貸してくれななかったり誰も保証人になってくれなかったり、
そんな辛い思いしてきたのよ。
沖縄人は日本人というより朝鮮人、韓国人、
台湾人と同じような位置づけで蔑まれる時期がずっとあったからさ。


真喜志)
おばあちゃんがよく言ってました。沖縄出身って言えないって。

sige197-2.JPG


安里会長)
でしょう。
その屈辱ってのは消えることないんだよ。
今では沖縄料理ってお洒落な感じで
東京でも食べれるようになってるけど
沖縄料理出しても「こんなの食えるか」って
言われる時期もあったんだから。

平)
そうなんですか…今は沖縄出身ってワードだけでチヤホヤされます(笑)

安里会長)
この流通の変化っていうのも、
トレンドを最初に作ってくれたのは航空会社なんですよ。
今から20年ぐらい前かな、SMAP全盛期に彼らをつかったりして
沖縄に行こう、とか打ってさ
航空会社が積極的にプロモーションしてくれたわけ。
あの頃航空会社はお金あったから。
それから旅行エージェントも一緒になって沖縄特集を組んでくれたわけ。

編集)そこには航空会社と旅行エージェントにお互いのメリットがあったわけですね。

安里会長)
そうそう。要するに観光需要を喚起していこうってことになったわけです。
それで沖縄の市場が徐々に大きくなってきて。
それからコンプレックスがなくなったのは
安室奈美恵ちゃんの存在が大きいんです。
安室奈美恵からMAX、モンパチ。いろいろ出てきたでしょ。
90年代に沖縄ってかっこいいよね、ってなったわけ。
沖縄がひとつのブランドになり始めたのがそのぐらいで、
極めつけが2000年の沖縄サミット。
超VIPを各国からお迎えする国際会議を
沖縄で開催したっていう実績になったわけ。
それから国策で沖縄で国際会議をたくさんやろうという動きになって
それまでは基地のイメージしかなかったのが
沖縄のきれいな海とか自然を世界中のメディアが報道するわけでしょ。
それで沖縄のブランドイメージがちょっとづつ高くなって
みんなが関心寄せてくれるようになってきたんですよね。
そのあと9.11の同時多発テロで沖縄観光は打撃を受けたけども
その回復のために国策で沖縄に力を入れていこうってことになって
国から予算がつくようになって。
それがどんどん大きくなって今があるんですよ。

編集)こう流れを聞くと決して自分たちの力で今の沖縄ブランドがあるわけじゃないんですね。

安里会長)
市場に育てられたっていうのも一つの見方でしょうね。
ただ他の見方をすると「きっと沖縄の観光は伸びる」って
努力を続けてきた地域の活動もあるんですよ。
だからこれはどっちかが欠けてたらうまくいかなかった。
この両輪でなんとかやってこれたんじゃないかな。
今、観光需要がこれだけ落ち込んできてるから、
特に円高の影響でこの夏はかなり海外にもってかれてるんですよ。
日本人も海外に行くか沖縄に行くかっていう選択肢をするわけで
競争相手は国内旅行じゃないんだよね。
ただでさえ需要が少なくなってる中で
沖縄の市場を大きくするために
消費者の意識をこっちに向けるためにがんばらなきゃいけない。
全国的にこの四半期、GDPが0.9マイナスでしょ。
でも沖縄は0.3成長してるんですよ。
昨年と比較する視点も大事ですけど、
全国と比べた時にこの伸びなんだから
沖縄はすごい恵まれてるという認識は持たないといけないな。
皆さん方もそうかもしれないけど、今20代はあまり旅行に行かないんだよ。

編集)留学も減ってますよね。

真喜志)
ああ、就職でも県外に出たくないっていう子が増えてる気がします。

安里会長)
だからね、君たちも旅に出ろ。
ここにいたらね、ここの良さは分からんよ。

真喜志)
旅行というのは国内外問わず、ですか?

安里会長)
うんとね、今海外に行っても
いい思い出作って終わってしまうかもしれないから

むしろ僻地、裏日本とか
行った方がいいかもしれないな。
経済的にさびれた町が多いから。
同じ日本でこんなに苦しんでる地域が
あるんだって見て来た方がいいよ。


沖縄は交通渋滞で悩んでるでしょう。
そんな地域なかなかないよ。
渋滞するほど車がいないんだから。

編集)それだけ沖縄は恵まれてるんですね。東京にいる3名も沖縄から外に出たわけですが。

安里会長)
言っておくけど東京は外じゃないぞ。
東京は特別な場所だからさ、東京に出て
世の中わかった気になっちゃいけない。
もっと陰のところを見るべきだと思う。
東京で勉強するのはいいこと。オールジャパンがそこにあるから。
でもそこで学びながらも時間があったら車で2、3時間走ると
とんでもない田舎があるから、
そういうところの暮らしを見たほうがいいな。

編集)沖縄なんて名護まで行ってもけっこう都会ですからね。

安里会長)
そうだよ〜!
沖縄の田舎は結構都会だよ。
九州でも福岡以外は田舎だもん。


sige197-3.JPG



佐久川さん)
そうですね、県外に住んではじめて沖縄の良さを知りましたが、
ここで観光について学んでて一つ思ったことが
確かに県内の観光は発展してきてて成長してると思うんですが
県外の方が沖縄の観光を担い始めてますよね。
例えば私は西表島のエコツーリズムを学んでるんですけど
沖縄の方じゃなくて県外の方が開発していて
地元の人達があまりたずさわってないと聞いたんですが、
それについてはどう思いますか?

安里会長)
うんとね、やっぱり

革命を起こすのは
「よそ者、若者、ばか物」なんだよ。


一同)へぇ〜っ!

安里会長)
だいたいね、歴史上そうなんです。
地元の方の努力不足もあるし、
外にいるからこそ良さが分かるってのもあるでしょうし。
沖縄だって今の知事さんの家柄も500年前は中国人だよ。
久米36姓という技能集団が中国から来てさ、
農業から学問まで教えたわけでしょ。
やっぱり外から新しいものはやってくるんだよ。
だから沖縄にはニライカナイっていう思想があるんですよね、
海の向こうから可能性はやってくる。

編集)私たちウチナーンチュはそれをどう受け止めたらいいでしょう?

安里会長)
ウチナーンチュだから、っていうくくりで
僕は受け止めたくない。
これはそれぞれが考えるべきテーマでしょう。
少なくとも僕は真ん中に立ってるし。

僕が10年前から言い続けてるのは
5年後10年後に地域経済、社会、
政治、文化の真ん中に
ウチナーンチュは存在しない、って。


きっとそんな時代がくるよって同じ世代の方々に言ってきたのね。
それは時代の流れだけど、
それでも真ん中に立ってる方もいるでしょうし
はじかれる方もいるでしょうし。
でもそれはウチナーンチュだからってカテゴリーで区別するんじゃなくて
少なくとも僕は立ってるよ、おまえらどうする?っていう投げかけなんですよ。
だからって県外の方が沖縄でビジネスすることが
悪いかっていうとそうじゃなくて
お客さまに喜んでもらってビジネスが成立するならいいと思うんだよ。
いいことじゃんね?

糸数)そうですね(笑)

安里会長)
ハワイの市場もさ、あの形を作ったのは
ハワイの人じゃなくてアングロサクソンなんですよ。
生粋のハワイ人は所得の低いところにいる。
外から資本がきて、ホワイトカラーは外から来た人で
ブルーカラーがハワイの人だったわけ。
ハワイの市場のうち10%が日本人ですが、それも日本人が作ったんですよ。
80年代当時のジャパンマネー強かったから。
日本人が日本人の喜ぶ観光地を作ったんですよ。日本のお金で。
だから表面的な観光じゃなくて、
生活という視点、あるいは地域作りっていう視点で
観光地を見ていけば本質にたどり着くと思うんだよな。

編集)じゃあウチナーンチュとかナイチャーじゃなくて、大事なのは自分がどう動くかですね。

安里会長)
ウチナーンチュとか宮古の人とかそういう話じゃなくて
あなたはどうするの、ってことだよ。
思ったことやればいいじゃん。
同じ大学生でも沖縄で勉強してるのか東京に行くのか
アメリカに行くのか、自分で選んでるわけでしょ。
全てそれぞれの選択なんで、
地域に関わりたければ関わっていけばいいんだよね。
今年、星野リゾートさんが竹富島にホテルをオープンさせたのね。
そこで使ってるものは沖縄のものばかり。
この島に溶け込んだリゾートにしたい、って努力してる。
それってすごいことだと思うんだよ。
「ナイチャーが来て開発しよった」って批判して
地域のことに協力しないウチナーンチュよりもずっと生産性あると思うよ。
悔しかったら自分でやればいいんだよ。
怠け者が報われる社会は永遠にこないから。
まぁ総じて沖縄の女性はよく働くんだよな。
男が働かないんだよ。

平)
ごもっともです(笑)
沖大メディア研究会も女性リーダーががんばってるんで(笑)

安里会長)
そうでしょう(笑)
大学の4年間って人生の中でもものすごい大事だよ。

真喜志)私、その点を聞いてみたかったです。

安里会長)
僕は大学出てないから偉そうなこと言えないんだけど
大学って初めて檻から離されるわけでしょ。
それに責任も伴わない。
高校までは義務教育があって、だからこの
社会人になるとまた社会のルールに縛られる。

だからこの4年間で
どう感性磨くかが
将来に直結してくるよ。


サークル活動とかでいい思い出つくろうなんてバカな時間使うよりも
自分がどこの何者か、縛られてない時間だからこそ
触れられるものに触れた方がいいと思うな。

真喜志)
今3年生なので就活ですごく動いてる人もいれば
休学しようかとか自分になにがあうのかとか悩んでる人もいて。
私はまだ就活してないんですが、今おっしゃられたように
社会に出るってことは世の中に貢献する
責任とか義務があるんじゃないかなと思って。
私も沖縄のためになることに関わりたいなと思いはじめた時期でした。

安里会長)
今言ったことを録音しておけ。

必ずね、
この口が曲がるから。


一同)ええ〜っ!!

安里会長)
常に思い出して、自分の言葉を聞け。

編集)会長は口が曲がった経験があるのですか?

安里会長)
だって僕は20代の頃こんなたいそうなこと考えてないもん。
その頃ね…僕はトラックの運転手やってるよ。
18から20才まで東京にいて水商売やってたしね。
その頃は沖縄のために、って全く考えてなかった。
今日をどう生きるかで精一杯で。

編集)あとはトラックをどう飾るか、ですよね。

安里会長)
そうそう、それだけ(笑)

宮内)
就活してる方に話を聞くと地元の企業に入って
地元に貢献したいっていう人が多くて、
実際そこに入ってなにをしたいのかっていう所まで
落とし込めてないって感じたんです。

安里会長)
はっきり言えることは、みなさんが飛び込まなきゃいけない世界は
危機的な状況であるということ。
バラ色の社会は存在しないと思ってたらいいよ。
それに努力が報われる社会ではないと思ってたらいいよ。
その前提で社会に飛び出していけば後は上がるしかないから、
ある程度タフに生きられるんじゃないのかな。
でもチャンスは回ってくるはずだから、
それを活かせるかどうかはやっぱり
努力の積み上げしかないんだよ。
いい大学出ていい就職先を、と思ってもその就職先が潰れるんだもん。
そうかといって公務員が安心というわけじゃなくて
たぶん公務員制度改革が通って公務員でも首切られる時代が来るだろうし。
今までの延長線ではこの国が成り立たなくなってるわけでしょ。
過去の方程式が当てはまらないってことだよね。
だからどこに就職するかっていうのは
あくまでも衣食を求めるための選択にしかすぎなくて、
それを踏まえつつ自分の人生観を固めていかないと
これからの時代生き残っていけない気がする。

sige197-5.JPG



平)
個人の時代ということですか。

安里会長)
そうではない。
要するに、昔たぶんそうだったと思うんですけど
国が何をしてくれるかとか、
地域が何をしてくれてるかをみんな求めてた。
公はそれに応じて富の再分配をしてきたわけですよ。
でも負担の再分配をしなきゃいけない時代が来てるんです。

だから僕らが
故郷のために何ができるかとか
帰属組織のために何ができるかとか、
国のために何ができるかとか、
そういうのが求められる時代が
もう始まってると思うんだよね。


編集)なんかくれ〜って求めてばかりの時代は終わったわけですね。

安里会長)
与えるハピネスと求めるハピネスのバランスがね、
昔は求める方がウエイト高かったと思うんだ。
今は主体性を大事に、自分がやれることを
自分の歩幅を大事にしながら繰り返していかなきゃね。

そうして世の中で
求められる組織、存在だけが残るよ。
そこに一生懸命がんばってます
っていうプロセスは関係ない。
必要か、必要じゃないか、それだけ。


宮内)
かなりシビアな…

編集)明るく楽しい座談会のつもりが(笑)

一同)笑

安里会長)
それぐらい余裕がないんだ、この国。
観光においても、熾烈な国際競争の中で
僕ら生き残りかけて戦ってるんですよ。
例えばドラマのロケ地の誘致合戦でオーストラリアと戦ったりね。
NHKの朝の連続テレビ小説もやってるじゃん、
あれ来るだけで宮古島も活気づいてるから。
この競争原理ってこれからもっと熾烈になっていくでしょうから。
だからね…おもしろいんだよ。

編集)その言葉、嬉しいですね。シビアだけど、おもしろいと思えなきゃできませんよね。

安里会長)
自分が何のためにやってるか問われた時に
ちゃんと向き合う相手が見えててさ、
戦う土壌があってやった分成果があらわれる。
これほど面白いことないじゃんね。

宮内)
じゃあ安里会長はそれをモチベーションに行動しているわけですか?

安里会長)
僕のモチベーションは「自分」。

宮内)
自分の成長ということですか?

安里会長)
成長なんてきれいなもんじゃなくて、
今例えばみなさんと会ってる。
それでみなさんの記憶の中に僕が言ったことが残るわけでしょ、
そしたら僕は相当がんばって実現しないと嘘ついたことになるわけです。
そうやって自分に負荷をかけてるというか…
僕の人生はその繰り返し。言ったらやるしかないからな。

編集)そうやって、ともすると曲がりそうな口を正してる、っていうこともあるんですか?

安里会長)
向き合ってるのは自分だからね。
誰かに褒められたくてやってるわけじゃないから。
いいんだよ、褒められなくても。

編集)判断の軸が自分にあると強いですよね。だいぶ前の質問ですが、糸数さんが何かをやる時に地元の方を巻き込むにはどうしたらいいか、というものがありました。

糸数)
自分がやりたいことがあっても、
やりたくない人もいるわけじゃないですか。
観光だと利害が対立することもあると思うんです。
それを協力してもらうにはどんな行動をしてるんでしょうか。

安里会長)
言い続けることですよ。
この人達が動かないからできなかった、っていう
言い訳だけはしたくないじゃないですか。
ならやればいいんだよ。
そしたら徐々に広がってくから。

編集)それもまた、求められれば、ということですよね。

安里会長)
そう。世の中から必要とされればね。
世の中の関心を得られないってことは、説得力がないんだよ。
あなたが言ってることを理解しない人たちが悪いんじゃなくて
伝えきれてない自分に力がないんだよ。
だから、世の中に影響力を持て。
言ってることがあってても
「おまえが言うな」って言われたら止まっちゃう。

内容はともかく
おまえが言うならしょうがない、って
言わせてはじめて世の中動くんだよ。


そこには利害もあって対立も起こるし反乱も起こるよ。
でも動じずに進めてかないと。
それができなかったら言うな、ってなるんだよ。

編集)ここにいるみなさん、それぞれ活動してて行動力がありますから、それは期待したいですね。

安里会長)
だからね、それをビデオに撮っておいてほしい。
必ず曲がるから。
人生青くあれ、って感じだよ。
みんないずれ妥協を積み上げてくような
生き方になっちゃうんだよ。
そうするとつまんなくなるんだよ。
女はおばさんになるし、男はおっさんになってくし。
それが早く来るか、遅く来るかだけ。

編集)それを少しでも遅くするために、初心を忘れず青くあれと。

安里会長)
そう。やっぱり沖縄は…青ですよ。

=========================================

就職活動を前にした学生さんに向けて発せられる
安里会長の厳し〜い言葉。
そこから会長も日々戦っていることが伝わってきます。
愛のある熱い座談会、来週の後篇へ続きます!


[聞き手:コピーライター 幸喜朝子]

posted by 安里繁信 at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | しげ脳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/310252432
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。